君の背中を見つめる恋
「こらー、もう下校時間過ぎてんぞー!」


突然聞こえた大きな声に
香乃の肩が震えた。

振り向くと、

そこには学年主任の先生が
こっちに向かって歩いていて。



「用がないなら、早く帰りなさい」

「あ、はい!」


咄嗟にストラップを
ポケットへ閉まって、

香乃が走り出した。


「………っ」



あたしは、

見てはいけないものを
見てしまった。


開けるんじゃ、なかった……

< 129 / 244 >

この作品をシェア

pagetop