君の背中を見つめる恋
午後12時50分。


駅前で剛志がキョロキョロと
辺りを確認。

日曜日だからか、
どこを見ても人で溢れかえってる。


ここを待ち合わせ場所にしたの、
間違いだったかな…


とりあえず、

駅前にある小さい噴水の前で
待つことにした。


「…………」


『仁科のこと好きなのか!?どうなんだよ!?』



頭に響く中山の声に
胸に何かがつっかえる。

お前に言われたくない、
それが俺の本音。


俺は、

本当に香乃ちゃんの側に
居たいと思った。

中山はグズグズしてたらいい。


いい加減な気持ちの奴に
誰かを想う資格なんて、


────ないのだから。

< 168 / 244 >

この作品をシェア

pagetop