君の背中を見つめる恋
「…溝が、」

「…何?」



頭上から聞こえる
優しい声。

あたしは声を震わせながら
精一杯続けた。



「…溝が、出来ちゃった」

「溝?」

「…あたしと中山くんの間には、中学のあの時…溝が出来たの。それを、修復しようとしたのに…」



なのに…、

修復どころか

また恋をして
大きな溝が出来てしまった。


埋まらない溝が…


もうどうやれば
その溝が埋まるのか解らない…
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