君の背中を見つめる恋
「あたしは部外者だって分かってる。でも、香乃のこと本気じゃないなら…そういうの、やめて」

「……相川さんが何でそんなこと言うの?」

「…香乃は、もう何度も傷ついてるの。あたしはそれを側でみてきた」

「…知ってるよ?だから、俺の出番なんだよ」



低い声に、
夕里が顔を上げた。

じっと自分を見つめる
剛志の目に

ドクンと脈打つ。


「…今の香乃ちゃんが、昔の自分に重なって見えて放っておけない。香乃ちゃんから聞いてるなら知ってるでしょ?それが理由じゃダメなの?」

「………」

「中山には、明日香が居る。その明日香が夏には帰ってくる」

「っ」

「失恋した者同士、寄り添って何が悪いの?」



剛志の言葉に
感情が入ってるのが分かって。

言葉が詰まる。


やるせない想いが
ひしひしと伝わってきて…

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