君の背中を見つめる恋
カタン…


突然の物音に

顔を上げると
中山が靴を履き替えていて。


バチっと目が合った。

タイミングよく
来るじゃん…

剛志がふっと笑うと…



「……俺、香乃ちゃんに告ったよ」

「え?」

「まだ、返事はもらえてないけど…多分無理」

「………」

「何でか、お前分かってる?」



剛志の鋭い目線に
中山が顔をそらした。

何で、俺にそんなこと
聞くんだよ…


「相川にさぁ、怒られたよ。俺たちは、香乃ちゃんをちゃんと見てないって。自分と向き合ってないって」

「………」

「お前…、香乃ちゃんが好きなんだろ?」
< 212 / 244 >

この作品をシェア

pagetop