君の背中を見つめる恋
「ありがとね。夕里」

「……っ」



ニコッと笑う香乃に
夕里が胸を痛めた。

中山と香乃が
両想いだって分かってるけど、

あたしから言えないし
それがもどかしい…


「さ、帰ろっか」

「うん」



鞄を持って香乃が
教室を出ようとした瞬間、

カシャン…


何かが落ちて。

香乃と夕里の視線が
床に向いた。


「!」


落ちたものを見て
香乃が慌てて拾う。

すぐにポケットへしまい込んだ。

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