君の背中を見つめる恋
2人しか居ない廊下で
あたしの声が響く。



「…好…き、っ」


香乃の言葉に
中山の目が見開く。

頭の中で、

中学のあの日と
重なって……


中山がぎゅっと
唇を噛み締めて、

グイッと香乃の腕を引っ張ると
そのまま走り出した。


「…へ!?」


引っ張られて
自然と動く自分の足に

香乃からマヌケな声が漏れる。


何が起こったのか
分からなくて。

ただ引っ張られるがまま
中山くんと移動した。
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