君の背中を見つめる恋
連れてかれたのは
人気が全くない

反対側の校舎で。


その時には驚きで香乃の
涙は止まっていた。



「…ごめん」

「……!」


あたしの腕を掴んだまま
謝る中山くんを見て、

あたしは振られたと
受け取った。

だけど……、



「俺、仁科に謝らなきゃいけない」

「え?」



謝らなきゃいけないこと…?



「俺、ずっと中学のあの時のこと謝りたかった」

「………」

「俺、あの時…」

「………」

「気になる人が居たんだ」


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