君の背中を見つめる恋
「…明日香さん、でしょ?」


香乃から出た名前に
中山が驚いた表情で、


「…何で」


香乃を見た。


「…これ、」


香乃がポケットから出したのは
あのロケットで。

中山に渡した。



「…廊下に落ちてて拾ったの。ごめんなさい、中見ちゃった…」

「……っ…」

「あたし…、剛志くんから聞いて知ってるの。3人は幼なじみだったって」

「………」

「だから、いいの。さっきは取り乱してごめんね」



ただ、もう1度
伝えたかっただけだから…

それが出来て
もうあたしは思い残すことはない…


香乃が踵を返そうとした瞬間、
中山が口を開いた。


「違うんだ」

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