君の背中を見つめる恋
あの時もレモン味だったのかな…


「ありがとう」

「…おう」



あたしがお礼を言うと
中山くんは頷いた。



ガラ…


「HR始めるぞー」


勢いよく開けられた扉から
担任が入ってきて。

中山くんはクルッと
前を向いた。


あたしはさっき貰った飴を
じっと見つめる。


「………」


これは食べるのが

──────勿体無い。


そう思った。

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