君の背中を見つめる恋
目の前には、
あたしが好きだった人の


──────背中。


「………」


『好きだった奴が目の前に」


もう過去のことなのに…


先生の授業なんて
耳に入らない。

ぼーっと中山くんの背中を
見つめていると、

中山くんがひょいっと腕を上げて。


「!?」


その瞬間、

バシッと何かが
あたしの額に直撃した。


な、何………!?
中山くん…?


その何かは
ポトッと机に落ちて。


「……?」


机を見ると、
小さく折り畳まれた紙。

あたしはカサッと紙を広げる。

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