君の背中を見つめる恋
「香乃ー、帰る準備できた?」

「あ、うん。お待たせ!」


鞄を持って夕里の元へ駆け寄った。

あたしは希望通りに
図書委員になれたんだから…

学級委員に嫌々決まってしまった
中山くんと比べたらラッキーだよね。


こんなことで
深く考えるのは止めよう。


「今日、普通に中山と喋ってたじゃん」

「あ、うん。なんか意外と話せた」


香乃が笑うと、
夕里は複雑そうに笑った。


香乃は、

中山に振られたあの日
誰も居ない教室で泣いてた。


あたしは傍に居てあげることしか
出来なかったけど、

正直、中山があの後
転校して行ってホッとしたんだ。

< 44 / 244 >

この作品をシェア

pagetop