君の背中を見つめる恋
でも阿部くんとは
話し始めてまだ日が浅いし、

当たり前か。


それからあたし達は
委員会に参加して。

委員の役割説明と
担当日を決めると、

あっという間に終わった。


「終わったー。じゃぁ、俺は用事あるからお先。お疲れ」

「阿部くんもお疲れ」

「じゃぁね」

「うん、ばいばい」


香乃が図書室から出てく
阿部の背中を見つめる。


あたしはこの時、


『じゃぁ、俺と付き合う?』


阿部くんが何で
あんな事を言ったのか知らなくて。


これから、


『阿、部……?』

『…久しぶり』


中学の同級生だった
あたし達が複雑に絡んでくなんて

思いもしなかったんだ。

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