君の背中を見つめる恋
「否定、しないんだね」

「………」

「香乃、泣いてたよ。あの後……誰も居ない教室で、たった1人泣いてた」

「!」

「それでも今、あんたと友達やってる。中山が何考えてるのか知らないけど、もう少し香乃の立場も考えて」

「……っ」

「あたしは、あの時あんた達は両想いだと思ってた」


そう言うと夕里が中山から離れて
クラスメートの所へ向かった。

残された中山が、

拳を握る。


『香乃の立場も考えて』


言われなくてもちゃんと考えてる。

考えてんだよ…


だから友達に
戻れたらって思ったんだ。

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