この空の下で
 その後のことであるが、葵さんは宣言どおり、次の年まで二カ月おきに来た。そして要を呼び、話をした。私は用なしにされた気分で、嫌な気分であったが、今は母さんとの約束の時まで、ひたすらこの思いを胸にしまっているしかできなかった。

 しかし、二人の会話には好奇心があったので、盗み聞きは続けた。その会話を聞いていた私は、葵が今年だけで来年は来ないことを知り、そのときは密かに心の中で喜んでいたが、それも時が流れると、ふと寂しくなるものにあった。


 そして月日は経ち、あと一年で小学校を卒業し、新たに中学校に入学することになった。

 ああ、いよいよあと一年か。こう思うたびに私は憂鬱になった。しかしその反面、小さな喜びを確かに感じていた。
< 122 / 173 >

この作品をシェア

pagetop