この空の下で
「あ、きたね。どれどれ…」
幸恵は通信簿を受け取り、広げて見た。するとすぐに幸恵の口が開いた。私も幸恵の後ろに行き、聖子の通信簿を覗いた。
「何これ」
なんとその通信簿は体育と図工を除いて、オール5だったのだ。
「ありえないっしょ」
私と幸恵はその通信簿に見とれていた。私が聖子を見ると、すぐさま聖子は照れた。
「聖子、今までこんなに良かったの?」
「ん…うん…」
聖子は何だか気まずそうな表情をつくった。
チャイムが鳴り、私はいつものように、幸恵、聖子と一緒に帰った。二人の家は、私の家から徒歩一分もかからないところにある。
学校を出て、公園の脇を通り、交差点を渡った。夏休みについてだけの話題で帰り道は十分に楽しめた。聖子も楽しそうに話している。二本道に出ると、幸恵は左に曲がった。
「じゃあね、今度は…八月の…ま、いいや。じゃあね」
「じゃあね」
幸恵は走り去った。
私は聖子とともに右の道へ曲がった。そして私たちは変わらずに夏休みについての話を続ける。しかし私は気になることがひとつあった。それを聞き出すべく、私は聖子に問いかけた。
「ねぇ、聖子。話し変わるけど、あなたって、いつからそんなに頭が良くなったの?」
突然のことに聖子は黙った。笑っていた顔が、だんだん険しくなっていった。そして元気の無い声で聖子は言う。
幸恵は通信簿を受け取り、広げて見た。するとすぐに幸恵の口が開いた。私も幸恵の後ろに行き、聖子の通信簿を覗いた。
「何これ」
なんとその通信簿は体育と図工を除いて、オール5だったのだ。
「ありえないっしょ」
私と幸恵はその通信簿に見とれていた。私が聖子を見ると、すぐさま聖子は照れた。
「聖子、今までこんなに良かったの?」
「ん…うん…」
聖子は何だか気まずそうな表情をつくった。
チャイムが鳴り、私はいつものように、幸恵、聖子と一緒に帰った。二人の家は、私の家から徒歩一分もかからないところにある。
学校を出て、公園の脇を通り、交差点を渡った。夏休みについてだけの話題で帰り道は十分に楽しめた。聖子も楽しそうに話している。二本道に出ると、幸恵は左に曲がった。
「じゃあね、今度は…八月の…ま、いいや。じゃあね」
「じゃあね」
幸恵は走り去った。
私は聖子とともに右の道へ曲がった。そして私たちは変わらずに夏休みについての話を続ける。しかし私は気になることがひとつあった。それを聞き出すべく、私は聖子に問いかけた。
「ねぇ、聖子。話し変わるけど、あなたって、いつからそんなに頭が良くなったの?」
突然のことに聖子は黙った。笑っていた顔が、だんだん険しくなっていった。そして元気の無い声で聖子は言う。