君ともう一度~入れ替わってから知った気持ち~
ん?
声が小さくて、よく聞こえなかった。
「もう一回言って?」
「…中本がいつも以上に……かわいいからだよ」
「…へ?」
「…そういうことだから。ほら、電車来たから乗るぞー」
真っ赤な顔で衝撃的な言葉を言った桜木だけど、それ以上に私の顔も真っ赤になった。
か、かわいいって…。
そんなの、言われ慣れてないから戸惑う…。
でも、素直に嬉しい。
2人で電車に乗り込み、顔の赤みがひいてきたら、もうすっかりいつもの私達だ。
おもしろい話をして笑わせてくれたり、いろいろ質問し合ったり。
乗り物酔いしやすい私だけど、電車の中ではそんなことも忘れて楽しく過ごせた。
隣町に着いた私達は、水族館に向かった。
家で、いろいろ考えてくれていたみたい。
駅から歩くこと数分。
何年かぶりの水族館に到着。
中に入ると、嫌な湿気もなくなって、ひんやりと涼しくて、とっても良い気持ち。
今日は休日で雨も降っているから、子供連れが多い。
でも、言うほど人は多くなく、ゆっくり見れそうな感じだ。