君ともう一度~入れ替わってから知った気持ち~

ん?
声が小さくて、よく聞こえなかった。


「もう一回言って?」

「…中本がいつも以上に……かわいいからだよ」

「…へ?」

「…そういうことだから。ほら、電車来たから乗るぞー」


真っ赤な顔で衝撃的な言葉を言った桜木だけど、それ以上に私の顔も真っ赤になった。

か、かわいいって…。
そんなの、言われ慣れてないから戸惑う…。

でも、素直に嬉しい。


2人で電車に乗り込み、顔の赤みがひいてきたら、もうすっかりいつもの私達だ。

おもしろい話をして笑わせてくれたり、いろいろ質問し合ったり。

乗り物酔いしやすい私だけど、電車の中ではそんなことも忘れて楽しく過ごせた。


隣町に着いた私達は、水族館に向かった。

家で、いろいろ考えてくれていたみたい。


駅から歩くこと数分。
何年かぶりの水族館に到着。

中に入ると、嫌な湿気もなくなって、ひんやりと涼しくて、とっても良い気持ち。

今日は休日で雨も降っているから、子供連れが多い。

でも、言うほど人は多くなく、ゆっくり見れそうな感じだ。

< 109 / 163 >

この作品をシェア

pagetop