君ともう一度~入れ替わってから知った気持ち~

考えても答えは出ないまま、時間だけが過ぎていった。

午前の部が終わって、お昼休憩の時間になったので、水筒を持って教室に向かう。


今日は、誕生日パーティーの予約が入っているとかで、両親はお店を休めなかった。

なので、作ってもらったお弁当を教室で食べることに。

寂しいけど、しょうがないよね。


それにしても、教室で食べる人って、こんなに少ないんだなぁ。

毎年見にきてもらって、一緒に外で食べてたからわからなかった。


2年2組は特に少ないらしく、私を入れて3人しかいない。

それも、あまり話したことがない男子だ。


あーあ、つまんない。
1人で食べても、おいしく感じない。

いや、実際はおいしいんだけどね。
気持ちの問題、っていうか。


心の中でひとりごとを言いながら、もくもくと食べていると、教室のドアが開く音がした。

プチトマトを口に入れて、顔ごとドアの方を向くと、そこにいたのはまーちゃんだった。


相変わらずうつむいたまま、とぼとぼと歩いて桜木の席に座った。

つまり、私の横。


…これは、絶好のチャンスじゃないか?

男子2人の存在は気にせずに、思っていることを話すのは、今が一番良いときじゃないか?


よし、行け。
中本こなよ!


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