君ともう一度~入れ替わってから知った気持ち~

「おつかいの帰りに桜木君と会って、『どこか行ってたの?』って聞いたら、桜木君は『同じクラスのNと遊んでた』って言ったの」

「…え」

桜木…。
それじゃあ、隠せてないじゃん…。


「まな達のクラスで、名字か名前がNって、こーちゃんだけでしょ?」

「うん…」

「やっぱりね。好きっていうのは、その時に気付いたの。“こーちゃんは小倉君が好きなのに、何で?まなじゃダメなの?”って思っちゃって」

「………」

「家は近いけど、幼なじみでもないし仲良くもないけど。この気持ちは恋なんだな、って気付いた。」

「そうなんだ…」

まーちゃんがそんな風に思ってたなんて。
じゃあ、今日うつむいていた理由は、もしかしてあれ?


「ねぇ、まーちゃん。今日元気なかったのって、200mリレーの前に、私と桜木が話してたから?」

正しくは、変顔と口パクだけど。


「…うん、そうなの。今までは、こーちゃんが桜木君と仲良くしてても大丈夫だったのに、気持ちに気付いてからは、胸が苦しくなって。」

「そっか…。気持ちも知らずに、ごめんね…」

「謝らないで!勝手に嫉妬した、まなが悪いの…。まなは頑張って諦めるから、こーちゃんは桜木君とたくさんラブラブしてね!」


涙をこぼさないようにと歯を食いしばって、必死に笑顔を作るまーちゃん。

我慢しなくてもいいのに…。


って、ちょっと待った!

ラブラブ…?
まーちゃん、なんか誤解してません!?


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