君ともう一度~入れ替わってから知った気持ち~
そうこうしているうちに、ビデオ鑑賞は終わり、ほっと胸をなで下ろす。
次は、3年生のスピーチだ。
始まって数分、さっきまで自分の運の悪さを呪っていたのが嘘みたいに、私の顔は涙で濡れていた。
だって、感動するんだもん。
今まで、たくさんお世話になった先輩が引退だよ?
悲しすぎる…。
私がずっと泣いている間に、手紙交換の時間になっていた。
頑張って書いた手紙を両手に抱えて、順番に3年生の元へ行く。
みんなをまとめてくれた部長、色々教えてくれた副部長。
優しく相談にのってくれた先輩、元気がないとき笑わせてくれた先輩。
一番お世話になったホルンの先輩2人。
1人1人に感謝の言葉と手紙を渡すと、思い出が蘇ってきて、さらに泣いてしまった。
「せんっぱい、ありっがと、ございまっした……」
「…こなー!大丈夫ー?私も泣いちゃうからやめてよー!」
今から集合写真を撮るというのに、私の涙で何人かの先輩をもらい泣きさせてしまって、申し訳ない。
でも、最後の演奏も心を込めて出来たし、とても良い引退式だった。
先輩!
今まで、ほんっとうに、ありがとうございました!
これからは私達が、部活をまとめ、後輩を引っ張っていきます!