君ともう一度~入れ替わってから知った気持ち~
その次の日から、さっそく練習に取りかかった。
1stが私、2ndがまーちゃん。
3rdが真優花ちゃん、4thが奈実ちゃんだ。
順番にイスを並べて、とりあえず吹いていく。
見た感じ、音は高いけど難しいリズムはなさそうだった。
1日で三分の一、2日で三分の二が出来たから、今日で譜読みが一応終わる。
はずだった。
30分の音出しをしたら、いつものホルンの練習場所で、4人で教えあいながら練習する。
はずだった。
だけど、今日は様子がおかしい。
真優花ちゃんと奈実ちゃんの態度が、昨日までと明らかに違う。
2人とも、曲練習に入らずに、ずっと基礎練習ばかりしているのだ。
基礎練習はすごく大切だけど、さすがに曲に入らないと、今日中に最後までいかないよ?と思うぐらい。
やっと楽譜を開いたと思ったら、なんと高山祭で吹いた曲を吹きだした。
昨日までは、すぐにアンコンの曲を開いて、私やまーちゃんに積極的に聞いたりして、頑張っていたのに。
これは、何かあったに違いない。
2人に近付いて、話を聞くことにした。
「2人とも、なんで高山祭の曲吹いてるの?それは演奏しないよ?私達が練習しないといけないのは、アンコンの曲だよ?」
そう言うと、真優花ちゃんはばつが悪そうに私から目をそらした。