君ともう一度~入れ替わってから知った気持ち~

「こーちゃん…。大丈夫?」

「あぁ、うん…。もう、どうしたらいいかわかんない…」


しばらくするとまーちゃんが来て、私の隣に座った。


「うん、まなも…。さっき、こーちゃんが出て行った後、2人とも泣き出したよ」

「…なんで。泣きたいのはこっちだよ…」


まーちゃんの言葉を聞いて、ますます意味がわからなくてイライラする。

理由を言えば、私が怒ることはなかったのに。


「ほんと、なんで出たくないんだろうね…。試しに私から聞いてみようか?」

「…うん。お願い。とりあえず戻ろっか」


先輩達には言えません、って言ってたから、たぶんまーちゃんにも話せないだろうけど。

一応やってもらおう。

私も、2人と顔を合わせるのは気まずいけど、頑張って戻らなきゃ。


「あ、その前にトイレ行きたい」

「じゃあ、まなも行くー」


トイレに入ろうとしたら、中から何人かの声が聞こえた。

ここは吹奏楽部しか使わないし、声的にたぶん1年生。


ひそひそ話しているように聞こえたから、まーちゃんと少しだけ盗み聞きすることにした。


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