君ともう一度~入れ替わってから知った気持ち~

「さっき、こな先輩が怒ってる声が聞こえたんだけど…」

「あ、私も聞こえた!…やっぱり、奈実と真優花?」

「それしかないでしょ…」


5人ぐらいの女子が、どうやら私達のことを話している。

聞こえてたのか…。
恥ずかしいな…。


「でも、やばくない?チクったりしてないよね?」

「…大丈夫じゃない?チクってたら、こな先輩に怒られてないでしょ」

「それもそうだね!あー、安心安心!」

「ははは。まぁ、自業自得って感じだよねぇー」


…なるほど。
理由は、これね。

なんとなくわかった私は、そのままトイレに入っていって、その子達に

「今の話、詳しく教えて?」

と言った。


顔面蒼白で焦っている1年生を見て、私の予想は確信へと変わっていった。



「ごめんね…。奈実ちゃん、真優花ちゃん」

「いえ…私の方こそごめんなさい」

「ごめんなさい」


ホルンの練習場所に戻って、泣いている2人に謝った私。

2人も謝ってくれて、無事に仲直りできた。


それはいいけど、あの子達は本当に許せない。

いや、あの5人ぐらいの女子だけじゃなく、吹奏楽部の1年生、ほぼ全員だ。


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