君ともう一度~入れ替わってから知った気持ち~
私は、トイレにいた子達を廊下に連れ出し、詳しい話を聞いた。
それは、やっぱり私の予想通り。
1年生のほとんどが、アンコンに出場できる真優花ちゃんと奈実ちゃんを妬んで、ひどい言葉を言っていた。
「それほど上手くもないのに、ひいきだよねー」とか
「アンコン、自分から辞退してよ」とか。
最初は我慢していたものの、耐えきれなくなって、2人は辞退しようとしたんだ。
気付けなかった私達も悪いけど、悪口を言っていた1年生が一番悪い。
腹が立った私は部長にも協力してもらい、緊急ミーティングで、部員全員に話をした。
悪口を言っていた1年生には、1人ずつ謝ってもらった。
涙ながらに謝る姿からは、反省の色が見えたから良かったけど。
「なんで2人だけ、って思うのもわかるよ?だけど、それを妬んでいじめるのは良くない。結局は、自分の努力不足だったんだから」
1年生に向けて話した私の言葉が、しっかりと伝わっているといいな。
ミーティングを終えて、ホルンパートの4人だけになった。
私達は誰からということもなく、自然と円陣を組んだ。
「あの子達を見返せるように、絶対に金賞とりましょう!」
「「「おー!!」」」
奈実ちゃんの掛け声に3人が返事をして、ホルンパートに柔らかくて暖かい雰囲気が、また戻ってきた。