君ともう一度~入れ替わってから知った気持ち~
翌日。
昨日感じた、愛里に対する妙な違和感は、私の考えすぎじゃなかった。
「…転校?」
「うん。転校っていうより、また関西の方に戻ったんだよ」
「…戻った?」
「うん。もともと1年だけって決まってたしね」
私は、朝学校に着いてすぐに、3年生の下駄箱に書いてある名前を、1人1人確認した。
チャイムが鳴るギリギリの時間まで、何回も何回も見たけど、どこにも愛里の名前はなかった。
だから、休み時間に翔磨に聞いてみたんだ。
愛里、何でいないの?って…。
すると、返ってきたのがあの答え。
転校とか、関西に戻ったとか…。
全然話が読めない。
「あ、そうだ。これ、愛里ちゃんから。こなに渡してって頼まれてたんだ」
「…手紙?」
「たぶん、そうだと思う。こなとバイバイ出来なかったって、悲しんでたから」
そう言って、封筒を私に差し出しながら、ニコッと笑った翔磨。
…翔磨は、何で笑ってるんだろう?
愛里と付き合ってたんじゃないの?
愛里のこと、好きだったんでしょ?
遠くに行っちゃって、寂しくないの…?
愛里の行動も翔磨の態度も、本当に謎。
だけど、手紙を読んだら何かわかるかもしれないと思って、翔磨から手紙を受け取った。
チェック柄のかわいい封筒。
そこにはきれいな字で、“こなへ”“愛里より”と、書かれていた。