君ともう一度~入れ替わってから知った気持ち~

なんていうか…すっごく愛里らしい手紙。

許さなくてもいいって言った直後に、やっぱり許してほしいとか。

そんなところもあれば、ちゃんと謝ってくれた真剣なところもあったり。

こんな愛里だから、みんなに憎まれたりしないんだろうなぁ、って納得した手紙だった。


…だけど。

P.S.に書かれた、“いとこ”という言葉。

最初は理解できなくて、そこだけ何回か読み返し、やっと理解できた。


うん、なるほど。
愛里は翔磨のいとこか。

だから、翔磨の家に行ったり、一緒に帰ったりしていたんだ。


…って!

「うそでしょー!?」


理解できたらできたで、びっくりしすぎて思いっきり叫んでしまった。

学校で手紙を読まなくて、本当に良かったと思う。


よほどうるさかったのか、小学6年生になった草太が、隣の部屋から飛び出してきた。


「お姉ちゃん、どうしたの?うるさい」

「あ、ごめん。なんでもないよー」

「ならいいけど。俺、ゲームしてるんだから静かにしてよね」

「はいはい」


最近声変わりして、口も悪くなってきた、反抗期真っ盛りの草太だけど、本当は家族想いの優しい子なんだ。

…親バカならぬ姉バカが炸裂したところで、話を戻そう。


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