君ともう一度~入れ替わってから知った気持ち~
「おはよー!」
「おはよっ。今日、楽しみだね!」
「おはよう!そうだねー。いっぱい思い出作ろうね!」
学校に着くと、もうけっこう集まってた。
私も早めに出たつもりだったけど、みんなよっぽど楽しみなんだな。
いつもの2人――おっとりな果乃ちゃんと、しっかり者の結那ちゃんと話をしながら、美由希を待っていたけど全然来ない。
集合時間になってもまだ来ない美由希に気付いた先生達が、電話をし始めた。
お母さんやお父さんにかけているんだろうけど、全くもってつながっていない。
美由希以外の3年生は全員揃っていて、新幹線の時間もあるから、美由希1人のために時間をとるわけにはいかない。
集合時間を10分過ぎ、先生達もいよいよ慌て始めた。
本当に、どうしたんだろう?
修学旅行、来ないのかな?
いや、それだったら、ちゃんと学校に連絡するはず。
美由希はすごくしっかりしてて、他人に迷惑とか絶対にかけたくない人だから。
「おいおい、まだかよー。遅刻とかマジありえねー」
「もう行っちゃおーぜ。連絡もつかないし、どうせ来ねぇんだって!」
とりあえずバスに乗って、もう少しだけ待ってみる、という先生の話。
すると、一部の男子からの大ブーイング。
口に出すのは一部の人だけど、心の中では男子も女子も、文句を言ってるはずだ。