君ともう一度~入れ替わってから知った気持ち~
引率の先生とバスガイドさんが、全員外に出ていった。
バスの中には、3年2組のみんなとバスの運転手さんだけ。
そんな環境になって、美由希へのバッシングは、ますますヒートアップ。
「だいたい、遅れるのに連絡もしないってどうなの?」
「うん。本当、常識ないよね」
「これだけの人に迷惑がかかるって、わからないのかなー?」
さっきまで黙っていた女子数人も、男子に乗っかって言い始めた。
先生がいたら、そんなの言えないくせに。
美由希のこと、何にも知らないくせに。
ああいうのが、一番許せない。
そう思ったら、自然と体が動いて。
本来ならバスガイドさんがいる位置に、私は立っていた。
いきなり立って移動したからか、全員の視線が一気に私へと集中する。
不思議そうな顔をしているみんな。
果乃ちゃんと結那ちゃんだけは、私がしようとしていることをわかっているのか、少し不安そうな顔になった。
ちょっとだけ怖くなったけど、ここまで来たら引き下がれない。
今は話さない関係でも。
ケンカして親友じゃなくなってても。
前はたくさん話をしてた。
ずっと一緒で、すごく大切な親友だった。
その事実は、この先も絶対変わらない。
――だったら、お世話になった親友を、大好きだった美由希を、私が助けなきゃ。