君ともう一度~入れ替わってから知った気持ち~
駅の入り口で先生の話を聞き終わった私達は、さっそく新幹線へと乗り込んだ。
席順はバスと同じ。
私と美由希が並んで座り、その後ろに果乃ちゃんと結那ちゃん。
新幹線での長い長い時間を、私は無言で過ごすのかな。
乗り物酔いしやすいのに薬を忘れてきたから、誰かと話をしないと保ちそうにないのに。
だけど、そんな心配は必要なかった。
「こなちゃん。さっきはごめんね」
「私も。何も言えなくてごめん」
果乃ちゃんと結那ちゃんが、助けてあげられなかったことを、謝ってくれたのだ。
それから、次々とクラスメートがやってきて、一人一人謝ってくれた。
私に直接文句を言っていた人達にも謝られて、驚いたと同時に嬉しく思った。
「友達想いだね」
「優しいんだね」
そんな言葉も、たくさんかけてもらったから。
このクラス、本当は優しい人ばっかりだってわかった。
「…ねぇ。みんな、何でこなに謝ってるの?」
何も事情を知らない美由希がみんなにそう聞くと、代表して結那ちゃんが答えてくれた。
「遅れてた美由希の悪口を言った人がいて、それをこなちゃんが注意したの。勇気を出して、1人で美由希をかばったんだよ」