君ともう一度~入れ替わってから知った気持ち~
しっかし翔磨も、たこ焼き落としちゃうなんて、おっちょこちょいだなぁー。
服も真っ白着てるし。
私もおっちょこちょいだから、人のこと言えないけど。
張り切って浴衣着てこないで良かった。
「はい、これ使って?」
「え、いいよ!」
ハンカチを差し出すと、汚すのが悪いから、という理由で受け取ってくれない翔磨。
「いいってば!っていうか、これあげるよ」
もう古いし、返さなくていいから!
そう続けると、翔磨はやっと受け取ってくれた。
あげる、なんて迷惑だったかもしれないけど、気にしないでおこう。
そして、ハンカチで服を拭いた翔磨と、また歩き出した。
残っていたたこ焼きを食べて、夜店の列から少し離れた、静かな河川敷に座った。
たこ焼き、ここで食べれば良かったな…。
っていうか、そんなことより、人が周りに少ししかいないから、今頃になって緊張してきたよー。
「はぁ…疲れた。家族、どこにいるんだろうな…」
「うん…。全然見つからないね…」
不安そうな翔磨の声が聞こえてきて、返事をしながら私も不安になってきた。