君ともう一度~入れ替わってから知った気持ち~

“バンッ!”

ピストルの合図と共に、トップバッターが一斉に走り出す。

クラスの代表は4人で、私はアンカーだ。
実行委員会に行っている間に、勝手に順番決められてました…。


コースの途中にある長机に、みんなほぼ同時に到着すると、置いてある紙を適当に取っていく。


中に書いてある物は様々で、うちのクラスは無難なメガネを探してる。
隣のクラスはシルクハットだって。
ちょっとこっちが有利かも…!


そうこうしているうちに、もう私の番がきてしまった。


今のところ、1位は3年2組。
私達1年5組は……5位だ!

1年生から3年生まで、全部で15クラスだから結構良い順位かな。
しかも、1年生の中では1位だし!


「はいっ、中本!」

3番走者だった、笑顔が爽やかな桜木からたすきを受け取り、みんなの応援を背に受けて走った。


長机に着くと、もう残り少ない紙。
直感で選んだ紙を持って、また走り出した。


観客席の前に行くと、急いで紙を広げる。

「……えっと…カメの、ぬいぐるみ…誰か持ってますか…?」


< 44 / 163 >

この作品をシェア

pagetop