君ともう一度～入れ替わってから知った気持ち～

「あのー、５歳くらいの妹さんいる人いますか？」


高山祭終了から２日後の今日。
今、３０人近くでカラオケにいる。

実行委員の、反省会という名の打ち上げだ。


さすがに全員の都合は合わず、何人か来ていないけど、ほぼみんな出席してる。

その中には翔磨の姿もある。


さっき妹のことを質問したのは私で、その理由は、まいちゃん。

借り物競争で借りたカメのぬいぐるみ。
すっかり返すのを忘れてて、気付いたのは昨日の夜。


全校生徒約６００人の高山中学校。
その中の３０人くらいから、まいちゃんの兄姉が見つかるなんて、可能性低すぎかもしれないけど。

一応、ね。


私の質問に「いるよ」と答えてくれたのは、たった１人だった。


この人かもしれないと思い、詳しく聞こうとしたら、突然その人に手を引っ張られて、部屋の外に連れて行かれた。


同級生で、私のよく知る人。
しかも男子。

そんな人、１人しかいない。


「ど、どうしたのっ！？」

「こな、ごめん」


翔磨だ。