君ともう一度~入れ替わってから知った気持ち~
そう思っていると、翔磨が不思議そうな顔をして聞いてきた。
「そういえば、なんで妹いるか聞いたの?」
あ、いけない。
忘れるとこだった。
「高山祭の借り物競争の時の物、返すの忘れてて…。貸してくれたのが、5歳くらいの女の子だったの」
「あー、なるほど。それ、俺の妹かも」
ほんとに!?
驚いた私は、とりあえずぬいぐるみを見せた。
「これ、なんだけど…」
「おー。やっぱり、俺の妹のやつだ」
「良かった!ありがとうって伝えてね!」
まさか、翔磨の妹だったなんて。
見覚えがあると思った、あのかわいらしい顔は、翔磨に似てたんだ。
「うん、わかった。俺の妹、舞っていうんだけど、舞が体育祭の後に、『きょう、かわいいおねえちゃんに、ぬいぐるみあげたの!』って言ってたんだー」
「あげたつもりだったんだ!」
「そうみたい(笑)」
翔磨は、真剣な顔もいいけど、やっぱり笑顔が一番似合う。
幸せな気分になれる翔磨の笑顔を、出来ることなら近くで、これからも見ていきたいな。