君ともう一度~入れ替わってから知った気持ち~
~~~♪
「そこは、もっとデクレシェンドして!」
「はい!」
~~~♪
「違う!Cからはフォルテでしょ!」
「はい!」
先生の熱心な指導。
部員たちの返事、音。
暑い暑い音楽室で、熱い熱い練習中。
「今日はここまで!お疲れ様ー」
「ありがとうございました!」
コンクールまで、あと1ヶ月を切ったため、放課後遅くまで練習が続いている。
この調子じゃ、夏休みは朝から夜まで、ずっと練習だな。
「こーちゃーん。しんどすぎてやばいよー」
「まーちゃーん。私もー。口痛いしー」
「だよねー。今思えば、1年生の時は楽だったねー」
「確かにー」
部活が終わって、まーちゃんと愚痴をこぼした。
しんどすぎて、語尾が自然と延びてしまう。
部活は楽しいし、やりがいもあるんだけど…
1年生の時はコンクールに出なかったから、毎日1・2時間しか練習がなかった。
だから、いきなりこの練習量はキツいんだよね…。
先生の前では、口が裂けても言えないけど、みんな密かに思ってると思う。
途中の曲がり道でまーちゃんと別れ、すでに真っ暗な道を歩いて家に帰った。