君ともう一度~入れ替わってから知った気持ち~

それからその話に触れることもなく、2学期最初の授業は5時間が終わった。

あとは最後の6時間目のみ。
高山祭の実行委員を決めるらしい。


「誰か立候補する人はいますかー?」

明るくて親しみやすい濱中先生が、いつものように元気に話すけど、今だけはみんな下を向く。

そんなにしたくないのかなぁ?

やってみれば結構楽しいのに…。


私がそんなことを考えている間にも、一向に立候補者は出ない。

さすがに濱中先生も困り始めたと思う。


そんなときに、右隣から私を呼ぶ小さな声。


「どうしたの?桜木」

「中本、一緒に実行委員やんない?」

「えっ?なんで?」

「俺、ちょっとやりたいなって思ってるんだけど、相手の女子、中本がいいなーって」

「私がいいの!?なぜ!」

「いや…去年もやってるから頼りになるかなと思って…。あと、楽に話せる女子って中本だけだし…」


えー!マジですか…。
頼りになんかならないし…。

っていうか、楽に話せる女子私だけって…。
もしかして、男友達と同じ感じで見られてる!?

うわー。
なんでかわからないけど軽くショック…。


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