君ともう一度~入れ替わってから知った気持ち~

「はぁー、最悪…」


家に帰ってきた私。

服も着替えずに、自分の部屋で溜め息をついた。


その理由は、遡ること2時間前。

放課後、桜木と一緒に実行委員の集まりに行って、去年と同じように話し合いをした。

内容は1年生の時と変わらないけど、やっぱり仕事の量は多くて、部活には行けなかった。

それはしょうがないんだけど、気になるのはメンバー。


まだ、話し合いが始まっていないときだった。

人数が多すぎるから、いちいち自己紹介とかはしないけど、知ってる人がちらほらいて。

その中には、まさかの翔磨。


「えっ、翔磨また実行委員?」

「うん。こなも?」

「そうだよ。桜木と一緒」

「あ、そうなんだ!」


この時までは良かった。
翔磨と桜木は仲良いし、一緒に仕事するときがあっても楽しそうだな、って思ってたから。

でも、翔磨のクラスの女子は、私が見たことのない子だった。


「なぁなぁ、翔磨君。この子と知り合いなん?」

「あ、うん。去年、同じクラスだったんだ」

「へぇー。そうなんや」


この子は、2年生の始めに、関西の方から引っ越してきたらしい。

高い位置でくくったポニーテールと、親しみやすい関西弁で、元気っ子って感じだった。


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