君ともう一度~入れ替わってから知った気持ち~

翔磨と桜木が話し始めると、必然的に私は1人。

すると、あの女の子が話しかけてきた。


「名前、なんていうん?」

「えっと、中本こなだよ」

「こなっていうんやー。あ、うちは松浦愛里!愛里って呼んでなー!」

「愛里…ね。わかった!」


話しやすい人で良かった。
友達出来たし、今年も楽しくなりそう。


と思ったのも束の間。

「あ、お願いなんやけど、翔磨君とあんまりしゃべらんといて?」

「…なんで?」

「こなが、翔磨君のこと好きで、しゃべりたいんもわかるけどな。…翔磨君は、うちのもんやから」

「…は?」

「じゃあ、そういうことで!これからよろしくなー!」


……どういうことー!?

…翔磨が?
愛里の??
もの???

付き合ってるってこと!?
っていうか、私が翔磨のこと好きっていうの、気付かれた!?


なにがなんだか全然わからなかったけど、話し合いが始まると、その意味が少しずつわかってきた。


実行委員長が前に立って、話をしているとき、愛里は話も聞かずに翔磨とずっと話してる。

ちょっとした休憩時間にも、ずっと2人。
しかも超至近距離。

極めつけは、翔磨が愛里のことを

「愛里ちゃん」

って呼んだこと。


あぁ、私の片思い…終わった。


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