君ともう一度~入れ替わってから知った気持ち~

そんなことがあって、2人は付き合ってるのかもしれない、と思った私は一気にテンションが下がり、実行委員会が終わってすぐに、家に帰った。


翔磨が、名字じゃなくて下の名前で呼ぶ女子は、たぶん私と愛里だけ。

私は元カノだからわかるけど愛里は?
って考えたら、今カノという結論が出た。


翔磨はあんな感じの、社交性があって元気な子が好きなんだ…。

私と正反対のタイプ…。


「はぁー。もう嫌だー」

今日、何回目かわからない溜め息をついた時、家の電話が鳴った。

お母さんとお父さんはカフェの後片付け中で、たぶん草太はゲームに夢中で気付いていない。

重い気分を振り払い、明るい声で電話に出た。


「もしもし、中本です」

『あ、中本?桜木だけど…』

「桜木?どうしたの?」

『なんか…今日の帰り、元気ないように見えたから…』

「そ、そう?」

『うん…。顔が死んでた』

「そんなに!?」

『うん…。なんかあったのか?』

「…ううん!部活行けなかったなー、って思ってたの!」

『あ!そうなんだ!安心した。わざわざこんなことで電話してごめんな』

「全然!心配してくれてありがとう」

『うん。じゃあ、また明日』

「はーい」


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