君ともう一度~入れ替わってから知った気持ち~

「愛里ってさー、小倉と仲良いよね。どういう関係なの?」

紙に2年生が担当する仕事を書き出しながら、1人の子が愛里に言った。


「んー、まぁな!翔磨君とうちは…ふか~い関係?」

怪しい声でそう言った愛里は、私の方を見て、ニヤリと笑った。

こ…こっわ!
っていうか、ふか~い関係、って何!?


「あはは!なにそれ!でも、愛里と小倉ってお似合いだよねー」

「うん、確かに。美男美女だしー!」

「大人しい小倉君を、愛里が引っ張る!みたいな」


私と翔磨が付き合ってたことなんて、みんなはもちろん知らない。

私がまだ未練あるなんて、もってのほか。


だから、しょうがないんだけど…。

ちょっと、ヤバいかも。

さっきまでは全然大丈夫だったのに、今は本気で…泣いちゃいそう。


「でも、深い関係って、結局どういう意味?両思い?」

「うーん。どうなんやろ?ただ、うちは翔磨君のこと好きやけどなー」

「えー!ちょっと、小倉に聞いてみない!?愛里、聞いてもいい?」

「えー、んー、まぁ、ええけど」


愛里は、たぶん自信満々。

やめて、やめて。
聞かないで。

「小倉!ちょっと来てー」

「何?」

聞きたくない。


「友達としてじゃなくて、愛里のこと、好き?」


翔磨、答えないで。
























「うん。好きだよ」


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