君ともう一度~入れ替わってから知った気持ち~
「……ぅっ…」
「中本?大丈夫か?」
「…っく…うぅ…」
桜木は、涙を我慢できなかった私の顔を、心配そうに覗き込んできた。
迷惑かけたくないのに…。
しかも、だんだん周りの人達が、私が泣いているのに気付きだしてしまった。
泣いてる理由を聞かれたらどうしよう…。
そう思った時だった。
「すみません!ちょっと、中本が気分悪いらしいので、保健室連れて行ってきます!」
桜木が実行委員の先生に、そう言ってくれたのだ。
先生の許可を得ると、私の手をとって歩き出し、教室を出た。
教室のドアが閉まるときに見えたのは、驚いているようなみんなと、不適な笑みを浮かべる愛里。
それと、心配そうに私を見つめる翔磨だった。
「んー。とりあえず、3階行こっか」
私は桜木に手をひかれて、3階の空き教室に行った。
1階や2階には、まだ生徒や先生がいるけど、3階には誰もいない。
空き教室の鍵も、生徒が下校してからじゃないと閉めに来ないんだ。
適当に椅子に座って、桜木は私が泣き止むのを待ってくれた。
「落ち着いた?実行委員会、勝手に抜けたけど良かったか?」
「……うん…」
「あの…話せなかったら大丈夫なんだけど…さ。何が…あったの?」
慎重に、私に聞いてくる桜木に、心が温かくなる。
今だったら、桜木にだったら、全て話せそうな気がした。