森に抱かれて

「何?」

智子は佐藤の所へ歩み寄る。

「わ〜、これ今染めたんですか?」

干されている山吹色のランチョンマットをマジマジと見る。

「触るなよ」

「触りませんって」

「で、何?」

「ああ、そうでした。2階の部屋の掃除って、全部屋入っていいんですか?」

「ああ、2階かぁ」

「鍵とか掛かってたりします?」

「ああ、鍵かぁ」

なんだ、このマッタリ感。

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