森に抱かれて

だって、そういうことだよね。

「ま、あの部屋はテキトーにやってくれたらいいよ」

「あ、そうですか」

「露骨に嬉しそうだね」

「あはっ。そ、そう見えますか」

「そうとしか見えない」

「…」

昼食を食べ終えると佐藤は再び裏庭へ作業の続きをしに出て行き、智子はひたすら来ない客を待つ。
ホームページに掲げている閉店時間の18時になっても、結局客は現れない。

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