森に抱かれて
「じゃ、もういいな?俺は、行くから」
佐藤は立ち上がって外に出ていく。
「要さん、ご提案、ありがとうございました。お客さん、一人も来なくて、正直、もう辞めたほうがいいかと思ってたんです」
「辞めたら、謙太郎にこき使われるだけの日々になっちゃうだろ?」
「ええ、まぁ」
「大丈夫、これからだから。焦ることないよ。謙太郎がまさか、こんなにあっさり協力してくれることになるのは、計算外だったけどな」