森に抱かれて
「俺が自立しない限り、お前は俺という呪縛から逃れられない」
「なんだ、それ」
「いや、呪縛から逃れられてないのは、本当は俺だったんだよ」
「謙太郎…」
「ライダーキングは、死ぬかもしれないリスクを自ら背負って、人の為じゃなくてあくまで自分の為に、自分の選んだ生き方をしてるだけだって言い切ってて、かっこいいんだってさ」
「…」
「俺も、あのスタントは、社長やお前たちの為にやったんじゃない。俺が最高のスタントを見せたいと、自分で引き受けたんだ」