森に抱かれて

「…」

「ははっ。だからってすぐここ追い出されても困るんで、今の話は聞かなかったことにしてくれ」

「…謙太郎」

「ん?」

「俺はお前のお陰で、こうやって無傷でまたスタント出来てるって、本当に感謝してる」

「…」

「だけど、お前にも、また何かに向かって生きてほしいと、願ってたのは事実だ」

「…」

「お前が儲かりもしない草木染め始めてた時も、お前がスタントの他の生き方をやっと見つけたんならって、喜んで応援したかった」

< 181 / 494 >

この作品をシェア

pagetop