森に抱かれて

「そうだな。よしっ、食ったら始めるぞ」

佐藤は手に付いたトーストのクズを軽く叩くと、コーヒーを飲み干して立ち上がる。

「あっ、待って下さいよっ!片付けたら、すぐ行きますっ!」

あ〜、もう行っちゃった。こりゃ急いで行かないと、『遅い、真面目さに欠けてる』とか言われかねないっ。
急げっ、急げっ。

朝食の食器を急いで片付けると、裏口をそっと開ける。

「お待たせしましたぁ」

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