森に抱かれて

「そんな気にしなくていいのよ」

美咲の優しい声に、智子は頭を上げる。

「でも、ただで住まわせて貰ってる上に、喫茶店までさせていただいて」

「ここは元々、要の両親の持ち物だし、どうせ誰かに管理して貰わないといけないんだから、住んで貰って有り難いくらいなのよ。だから、気にすることないの。それより、こんなお客さん来ない所で喫茶店なんて始めちゃって、売上上がらないことに追い詰められちゃうんじゃないかって心配してたのよ」

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