森に抱かれて

「謙太郎は?」

「あ、佐藤さんなら、裏で作業中だと思います」

「相変わらず黙々とやってんのね」

「佐藤さんとも、お知り合いなんですか?」

「ええ。大河も謙太郎も昔同じ空手道場に通ってた仲なの」

「空手、ですか?」

人は見かけによらない…。

「謙太郎が一番強かったわね」

「へ〜」

佐藤さんにも空手のイメージって、ないなぁ。

「どうぞ」

智子は出来上がったコーヒーを出す。

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