森に抱かれて

「ありがとうございます」

智子も笑顔を返す。

そこに佐藤も表のドアから戻って来る。

「あ、先生っ。こっちこっちぃ」

若い2人が笑顔で佐藤を手招きする。

呼ばれた佐藤も嬉しそうに寄って行く。

おい、おい。そっちに行く?しょうがないなぁ。

智子は佐藤の分のコーヒーを注いで、トレーに乗せて、向かい合う若い二人の間に椅子を持って来て座った佐藤の前に置く。

「どうぞ」

「あ、ありがと。シンイチ」

「え?」

ん?

若い子たちは一瞬に顔色を変えて、智子を舐める様に見る。

「シン、イチ…?」

うそ?え?そっち?この展開って、私にオネエ疑惑ってこと?
…マジか。

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