森に抱かれて

へ?私?

キョトンとした顔で佐藤を見る。

「…佐藤さん、私の名前、知ってたんですか?」

「ああ、まあ、一応」

で、…なんで?私の名前なんか?

佐藤はシャーペンでまず『さと』を丸く囲む。

「俺と、シンイチと」

と、『とも』を囲み、最後に『もり』を囲む。

「この喫茶店の三つが揃ってのオリジナルでしょ?」

佐藤はそう言うと、ニコッと智子に笑いかける。

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